リバネスユニバーシティー受講生の声①実行して確かめながら、成長に必要な新しい知識を得る場
2021.11.30
実行して確かめながら、成長に必要な新しい知識を得る場
東京大学大学院 博士研究員
八木佐一郎さん
自分の研究分野の発展に貢献する方法を探しに
私は外の研究室の方とのディスカッションを通じて新たな視点を得て、研究が進むということを何度か経験しました。もっと異分野の世界の人と話すことで自分の研究の価値発見ができるのではないかと考えていましたが、やり方がわからず具体的な行動に結びついていませんでした。しかし、リバネスユニバーシティーが掲げる、異分野と相互理解して協働する「ブリッジコミュニケーション」の考えを知り、これがヒントになるのではと思い、参加を決めました。
リバネスユニバーシティーの学び方は大学の講義とは異なり、自分で考えることが重視されており、気づいたことを自分で実行して確かめてみるという方法でした。講義を通じて「こうかな?」と考えたことを事後課題やゼミを通じてすぐ試すことができ、これまで受講してきた講義と比べ、得ることが非常に多かったと感じます。講義を受けるだけでは何も生まれない、実践してみることが重要というのがユニバーシティーの考え方です。受講者自身がどう実践するかを思考し、実際に実践まで持っていく方法を学べる仕掛けがありました。
異分野の壁を超える「ブリッジコミュニケーション」
コミュニケーションにあまり課題感を感じていませんでしたが、「ブリッジコミュニケーション実践ゼミ」では中高生相手に知識を伝える経験を通じて難しさを痛感しました。一番感じたのは、相手に伝えられることは本当に少ないんだということです。ブリッジコミュニケーションの1つに「相手と目線を合わせる」という考え方を学びましたが、必要な前提知識のインプットばかりに力を使い切ってしまうと、相手も疲れてしまうし、不十分だと伝えたい事の面白さが伝わらない。限られた時間と容量の中で何をどう話すのかというのは、これまでの研究発表やディスカッションの中でやってきたつもりでしたが、必要な精度が随分と違うことが実感できました。学んだ知識はどれも新鮮で、研究にも大いに活用できる内容でした。
小さな一歩を設計できる力で「いつか」の壁を超える
これまで私は自身が研究している神経科学の分野の発展に貢献したいという漠然とした思いがありましたが、自分に何ができるのかよくわかりませんでした。講座を通じて他の人がどのように動いてきたのかを知り、QPMIの考え方やブリッジコミュニケーション、ディープイシューの考え方を学ぶことで、具体的に「自分がやること」が見えてきました。例えば、自分の深堀りをすることで、自分の原点は研究者間で交流が少ないことでアイデアが広がらず、研究発展にブレーキが掛かっているのでは?という漠然とした危機感であることがわかりました。さらに自分の経験や同じ課題感を持つ人とのディスカッションを通じて、単にアイデアを出し合ったり、交流を増やせばいいのではなく、研究手法の共有など、目的を明確にしてディスカッションする場をまずは自分が設計する事ができるんじゃないか。という具体的なMissionが見えてきました。「神経科学の分野の発展に貢献したい」という大きなビジョンを描きながらも、自分ごとで行動できるものすごく小さな一歩にまで落とし込み、行動し続けてみることですこしずつ前に進んでいくのだと思います。「いつかできたらいいな」ではなく、すぐに行動を起こし、多様な人と繋がる可能性を掴み取るための考え方やスキルを得られたと感じています。