リバネスユニバーシティーNEWSリバネスユニバーシティープロフェッサー紹介②看護の分野で「ブリッジコミュニケーション」を活用する

2021.11.30

リバネスユニバーシティープロフェッサー紹介②看護の分野で「ブリッジコミュニケーション」を活用する

 

看護の分野で「ブリッジコミュニケーション」を活用する

 

本間典子氏

国立国際医療研究センター 国立看護大学校 准教授

 

「生物のかたち」に魅了され、細胞学の研究に長く携わってきた本間典子氏。東京大学薬学部で学部・修士を過ごした後、医学系研究科に移り医学博士を取得した。神経細胞内の物質輸送の分子機構等を研究する傍ら、小中高の理科教育にも興味を持ち、小学校教員との実験授業の展開等を行ってきた。その後、もう1つの興味として学びを深めていた解剖学の経験を活かし、これまで関わりのなかった看護の世界へ。看護師を目指す学生に解剖学を伝える中で、専門が異なるからこそみえる看護の諸課題に対して、自身ができることは何かを模索している。そんな本間氏が考えるユニバーシティーでの挑戦について伺った。

 

「遠くへボールを投げ、小さく始める」面白い場所

私は19年前のリバネス創業時に数年関わっていましたが、大学で研究を続ける道を選び、その後大きな関わりはありませんでした。ですから、最初依頼を受けたときは力不足ではないかと思い、辞退しようと考えていました。しかし、創業当初から「地球貢献」というとてつもなく遠くにボールを投げて、学校への出前実験教室をやっている創業メンバーには心動かされることが多くありました。周りが笑ってしまう程の小さなことから始まった会社が19年経っても何も変わらず、次々とできることが増えている。そんな彼らからのオファーなら、何かきっと理由があるのだろう、期待通りにはできないかもしれないがやってみよう、というのが参加を決めた理由です。

 

あらゆるものの「かたち」の意味を知りコミュニケーションしたい

私の興味の原点は「ものの形の意味」です。建物や鉛筆の形など人が作ったものへの興味から、やがて生物の形にも興味を持つようになり、設計図だけではわからない形の意味を探るため、細胞学の世界へ足を踏み入れました。現在の所属に至ったきっかけのは、同様の理由で私が興味を抱いていた解剖学です。「人間の形を知りたい」という強い興味から、始めて触れた人体の中に「人の人生」を感じ、すっかりその世界に魅了されました。これをもっと多くの人に伝えたいと考えていたときに看護大学の解剖学教室の講師のオファーがあったのです。解剖学教育を始めてみて、看護師が3次元的に人の体の形を理解することの重要性を知りました。しかし、看護学部の学生には実際に検体を使った実習の機会は殆どありません。まして将来関わるであろう多様な年代の検体に触れることはほぼ不可能です。そこで、臓器や患部を仮想空間にて把握できるVRを開発するベンチャーと学生向けの教育ツールを開発しました。異分野から看護を見たとき、私は看護の世界の専門性の深さを知りましたし、同業からは見えない課題があることも分かりました。

 

外から見た看護の世界はテーマの宝庫

解剖教育に限らず、看護の現場を見てみると、様々な認識ギャップが見つかります。例えば優れた技術によって生まれた機器や病室設計があっても、現場にその価値が伝わっておらず、十分にその機能を発揮していないといった事例です。そもそも看護師が発揮している価値が十分に世に伝わっていないという点も大きな損失になっていると感じる事例も多く目の当たりにしています。認識ギャップの発見はもちろん、次はそのギャップが生まれている両者を繋ぐところを実際にやってみたいと考えていました。そこに異なるものに橋をかけ、コトを生み出すという「サイエンスブリッジコミュニケーション」のコンセプトがフィットすると感じています。テーマの宝庫である看護の世界をフィールドに、異分野のコミュニケーターが活躍する事例を生む、それが私のリバネスユニバーシティーでの挑戦になればと思っています。

この記事をシェアする