リバネスユニバーシティーNEWSリバネスユニバーシティープロフェッサー紹介①周りの思考を刺激する、超異分野の融合テーマを妄想したい

2021.11.30

リバネスユニバーシティープロフェッサー紹介①周りの思考を刺激する、超異分野の融合テーマを妄想したい

 

 

周りの思考を刺激する、超異分野の融合テーマを妄想したい

田中陽氏

国立研究開発法人理化学研究所 生命機能科学研究センター 集積バイオデバイス研究チーム チームリーダー

 

「生物✕機械」という異質なものをかけ合わせ、複雑かつ精密なバイオ、化学分野の実験を微小な集積流路の中で行うという新しいコンセプトを生み出した田中陽氏。これにより、バイオ実験の集積化や、1分子単位での合成や分析といった、これまでは難しかった実験を可能にしてきた。「ありえない組み合わせは、人の創造力を掻き立てるコンセプトになる」。リバネスユニバーシティーはそんなコンセプトを生み出す場にしたいと話す、田中氏の想いを伺った。

 

お金儲けのためにではない面白い場所

研究で地球に貢献したいというピュアなところから始まり、そのまま現在まで継続しているおもしろい会社、というのが初めてリバネス創業者の丸さんにお会いした時の印象です。利益のためではなく課題解決のために行動し、結果的に売上を上げていくという姿勢は、研究者と同じだと共感しました。リバネスユニバーシティー参加の依頼を頂いた時、正直何をするのかはわかりませんでしたが、何も決まっていないからこそおもしろいという気持ちで参加を決めました。自分の経験や知識を活かして貢献するという視点だけでなく、このような場に手を上げて来る学生や社会人の方との交流によって、自身の人脈や研究の幅が広がることも楽しみです。

 

専門起点ではなく、パッション起点で始めれば良い

私は現在理化学研究所で研究をしていますが、資金、機器、知識の量から考えればおそらく理研で出来ない研究は殆どないでしょう。しかし、リバネスユニバーシティーのような場所には、何かガッツのような目に見えないパワーが集積していて、論理的に考えたら生まれないようなアイデアが生まれるのではないか、そんな気がしています。私自身も、リバネスとの出会いのきっかけとなったシビレエイの発する電気を取り出すデバイスの開発など、とにかく動いてみることで思いがけない活路が見えることを実感してきました。シビレエイのことを知っている人は多くいますが、実際に漁港へ行って触ったことがある人はほとんどいないでしょう。学生さんや若手の方が自分の専門と融合して何かを生み出そう、という志を聞くことは少なくありません。そういった思いを持つこと自体は否定しませんが、研究者の使命と考えすぎる必要はないと考えています。数年の研究で持てる専門性にこだわりすぎず、「おもしろそう」「よくわからないけどやってみよう」で始めれば良いのだと思います。

 

生物✕機械は当たり前になってきた。次は何だ

私の研究は生物と機械の融合をコンセプトに進めてきました。根っこにあるのは「え?」と思うような人が目をつけていないところに着眼して、それを見た誰かの発想が刺激されるようなことを仕掛けたいという思いです。私のいるデバイス開発といった分野は社会実装や実用思考の人が多く、少し異端な発想かもしれませんが、ノーベル賞級の研究よりも世の中の人が「おもしろい」と思ってくれることをしたいというのが正直な気持ちです。研究を始めた当初と比べ、「生物と機械」というキーワードはだいぶ当たり前になってきました。次は何でしょうね。例えば「宇宙とコロナウイルス」と聞いてなにか思いつくでしょうか。すぐに想像がつかないような組み合わせに、新しい可能性を感じます。もちろんディスカッションだけで終わりでは面白くありません。思いつくことをやってみて、論文でも何でも何かしらの成果を出す。そんな場をリバネスユニバーシティーで作りたいですね。 

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