リバネスユニバーシティーコンテンツ参加のヒント:手上げ制研修の対象にして「本気の人」を送り出す(企業窓口担当者の声)

参加のヒント:手上げ制研修の対象にして「本気の人」を送り出す(企業窓口担当者の声)

2023.05.02

「どういった人材を送り出すのが適切か」「手上げ制研修の対象にしたが、希望者が出てこない」といった質問や相談をいただくことがあります。そこで、開講時から継続的に社員を送り出している株式会社丸井グループの大竹桃子さんに、本カレッジを社内でどう運用・活用しているか教えていただきました。

受講した社員の意見を参考に運用法をアップデート

丸井グループでは、2021年にプレ開講したJRE Stationカレッジの「エコテックコース」に申し込み、社員(サステナビリティ部所属 山中未来さん【所属は受講当時】)が受講しました。以来、継続して社員が参加しています。より効果的にこのカレッジを活用するために、最初に受講した山中のフィードバックを参考にしながらアップデートを続けています。

難易度の高いレポート提出で受講者を選抜

まず、2022年よりJRE Stationカレッジを当社の「選択制研修(手上げ制研修)」の対象とし、特定部署の社員のみでなく役員から新入社員までの全社員から受講希望者を募るようにしました。

応募時には、「サステナビリティ視点で自身が解決したい社会課題と、それを丸井グループのアセットを使ってどのように実現したいか」「前の質問で挙げた課題を実現したいと思ったきっかけや原体験」「自身のアピールポイント」の3テーマを盛り込んだレポートの提出が必要となります。
このテーマは、手上げ制研修の募集要件の中でも比較的、難易度が高いと思います。しかし、受講した山中から「本気でなければ修了できないハードな研修でした」と聞いていたことから、本気度の高い人材を選んで送り出したいと考え、このテーマを設けました。

結果、2022年度後期は2枠に対して31名から応募があり、提出されたレポートを基に受講者2名を選抜しました。「サステナビリティ」への興味、関心が高い傾向にあることから、比較的、若手社員からの応募が多かったです。

ちなみに、当社ではJRE Stationカレッジに限らず、手上げ制研修に対して積極的に応募があります。これは、そもそも「自ら積極的に手を挙げてさまざまな経験や知識を得る」という風土が定着しているからだと思います。

当社には、部署横断型のプロジェクトを社員自らの手上げによって立ち上げるという仕組みがあります。加えて、毎月実施している「中期経営推進会議(中期経営方針に対する理解を深めることを目的とした、ゲストスピーカーによる講演)」の参加にも、レポート提出を伴う手上げが必要です。研修にせよプロジェクトにせよ、誰かに指示されて「やらされる」のではなく、自らチャレンジしたいと思う社員が手上げによって参画していくという風土が根付いているため、手上げ制研修への積極的な応募につながっているのではないかと思います。

修了後は「報告会」で結果を発表する

受講後の対応もアップデートしています。カレッジ修了後、その結果を担当役員の前でプレゼンテーションする「報告会」を2022年に新設し、本カレッジ受講の流れに組み込みました。
最初の受講者である山中はカレッジを修了し、「野菜粉末アップサイクルプロジェクト」という新規事業の種を持ち帰ってくれました。直属の上司もそれを高く評価し、当社グループの代表にプレゼンテーションする機会を設けました。受講成果の「見える化」は効果的であると実感したため、受講したらそれで終わりではなく、その後の報告会までを流れに組み込んだわけです。

2022年度後期の受講生2名には、受講後に「報告会」があることも伝えて送り出したため、受講開始時にすでにかなりの熱量の高さを感じました。
実際に、修了から1カ月ほど経った2023年3月に「報告会」を実施しました。担当役員、人事担当執行役員に加え、受講した社員の直属の上司も立ち会い、受講を通じて学んだことや、創出したプロジェクトについて発表してもらいました。発表後は参加した役員陣から活発な質問や意見が出て場は非常に盛り上がり、当初予定した1時間では終わらないほどでした。

持ち帰った「アイデア」をどう自社で育てるか

受講生募集、受講後の報告会など順調にアップデートしてきましたが、受講中の社員のフォロー面を含め、効果的な活用に向けてまだ課題はあると思っています。
今の最大の課題は、受講した社員が持ち帰ってきたプロジェクトのアイデアを、どう具体的に自社の事業として展開していくかという点です。これまで受講した社員は全員、カレッジ受講を通してサステナブルビジネスにつなげるべくプロジェクトを創出してきました。
「持ち帰ったプロジェクトのゴールを、当社としてどこに設定するか」
「プロジェクトの提案内容が当社の新規事業として推進すべきものだった場合、どの部署でプロジェクトに取り組むか」
「受講した本人自身にプロジェクトに取り組んでもらうために、異動を前提とするか」
こういった点については都度、手探りで対応しており、まだ明確化し切れていないため、今後、もう一段の整備が必要だと考えています。

これまで継続して社員を送り出してきて、JRE Stationカレッジが人材育成に有効であるということは認識していますが、当社としては、「人材育成」だけでなく「新規事業の創出」にもつながるよう更にこのカレッジを活用していければと考えています。

この記事をシェア
体験セミナー受付中