リバネスユニバーシティーコンテンツ受講生の声:融合領域を目指す研究者として、胸を張れるようになりたい(慶應義塾大学大学院・大川さん)

受講生の声:融合領域を目指す研究者として、胸を張れるようになりたい(慶應義塾大学大学院・大川さん)

2022.12.11

融合領域を目指す研究者として、胸を張れるようになりたい

ヒューマノームAIコース奨学生

慶應義塾大学薬学部生化学講座修士課程2年 大川 拓眞さん

 

大川さんは2022年6月〜9月にプレ開講したヒューマノームAIコースの特待生です。4か月間の前半は、AI基礎を習得し、後半は日本の受講生とマレーシアの受講生が合流し、ヘルスケアAIソリューション企画を構築するプロジェクトを手掛けました。

※ヒューマノームAIコースの奨学生は、研究経験とデータ解析経験をアピールする申請書によって選抜され、教材費(Fitbit, Halshareの費用)のみで通常クラスを受講する権利を得ました。

博士課程を通じて一人前の研究者になれるか、という不安

私がコースの案内を受け取ったのは修士2年の4月です。現在の研究テーマを発展させて、博士課程への進学を内心は決めていましたが、モヤモヤとした悩みがありました。現在の研究テーマは免疫と代謝がクロスするimmunometabologyという分野で、融合領域的なアプローチが重要なのですが、最新の論文にはかなりの割合でバイオインフォマティクスを駆使した網羅的解析が入ってきています。これに乗り切れていない危機感を感じていました。これまで主に実験系の研究者として過ごしてきたため、大量のデータを扱うのは自学自習で不安がありました。加えて、研究室配属されてからの2年間で、まず自分の分野で一人前になることを優先して努力してきましたが、視野を広げて「自分が未だ知らないことを知っていく」重要性を痛感していました。

自身の専門とAIの掛け算のテーマ追求

ヒューマノームAIコースは初めてのことの連続でした。ウェアラブル活動量計(Fitbit)や体表面温度センサー(Halshare)を用いたデータ取得・解析や、日本マレーシアでのチームでのソリューション企画開発を行いました。「先生はいない」「リアルな反響を得る」というコース方針のもと正解のない問題に取り組み、実際にビジネスをしているベンチャー起業家へのプレゼンをしました。これまで経験がないことで、必死の努力が必要でしたが、おかげで現実世界で研究成果が活用されるまでの道のりをイメージできるようになりました。私たちのチーム名はSandmanといい、私の専門の栄養学も多少活かしたテーマ設計ができて、「従業員の昼食後の眠気をトラックし、生産性向上サービスにする」という提案に取り組みました。周囲にアンケートを取ったり、先行研究やオープンデータ等を調査してみると、理想のAIソリューションと現実の開発・データ取得の難しさのギャップや、そのために必要な考え方や活動がわかるようになりました。たくましくなったと思います。

実データと実用化に向き合うことで、将来の解像度が高くなった

実データ、実用化のハードルは高いにもかかわらず、あきらめなかったのは他の受講生たちのおかげです。いろいろな考え方を知れたし、チームとしての関わり方もわかるようになりました。研究手法としても収穫があり、データ取得方法をマウスに置き換えてあてはめることができそうなイメージが持てましたし、オミクス研究にも挑戦したいです。基礎研究から臨床へと橋渡ししていくときの模擬訓練ができたと自信を持てています。今後の研究者の軸として、自分一人の手に負えないことに挑むときに、強みと苦手なことをどう発露して周囲の力を借りていくかを大事にしたいと思っています。現在の融合領域的な研究からさらに進んで、分野の垣根を超えて自分のもとに人が繋がってくるような研究・プロジェクトを立ち上げられるようになっていきたいです。

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