リバネスユニバーシティーコンテンツL-Univ.人材開発論ー新事業の種を生む 「研究者的思考」

L-Univ.人材開発論ー新事業の種を生む 「研究者的思考」

2023.01.20

失敗を単なる失敗で終わらせるか。 それとも成功への一歩と捉えるか。  

研究者的思考の鍵になるのが「仮説→ 検証→考察のサイクルをまわす」ことで す。全ては「問い」を立てることから始 まります。自分にとって切実に感じら れる問い、その解明に情熱を傾けられる 問いを立てることが大事です。自らの 問いを定めることができたら、次に仮説 を立てます。確かかどうかはわからない、 でも、多分こうなるであろう、という仮 の結論を設定するわけです。そして仮 説を立てたら、その仮説が正しいかどう かを確認するために、どんな手法や手順 を取ればいいか、という研究の計画を立 てます。  そこまでたどり着けば、あとはその計 画に基づいて実験や調査を行う検証の プロセスに着手し、そこで何かしらの結 果が出たら、仮説が正しいかどうかを考 察する、という流れになります。  ここで大事なのは、検証の結果として 「仮説が間違っていた」となった場合に どうするかです。普通に考えれば、仮説 通りにいかなかったのですから失敗です。 しかし、「その仮説が間違いだとわかっ た」という意味では、検証のプロセスが 前進したと捉えることもできます。  失敗を失敗で終わらせてしまえば、 それは「単なる失敗」でしかありません。 しかし、その失敗で学んだことを生か して、もう一度仮説を立て直し、再び チャレンジすれば、それは「次の一歩」 につながります。そもそもの話として、 研究のプロセスにおいて最初に立てた 仮説が100%正しいなどということは まずありません。ですから、とにかく 小さくてもすぐに実行に移し、仮説→ 検証→考察のサイクルをぐるぐるとま わしていくことが大事なのです。

学生ベンチャーだったリバネスは、 何を自分たちのアセットとして 捉えたのか。

「とにかく実行に移す」というプロセス では、最初のうちは大したことはでき ません。当初の計画が10だとすれば、 そのうちの1か2しか達成できないこと もあるでしょう。それでも、まずはやっ てみることです。1歩目を踏み出すこ となしに、2歩目を踏み出すことはでき ないのです。 実は、私たちリバネスもそうやって創 業からの20年間を積み重ねてきまし た。2002年に学生ベンチャーとしてス タートした当時は「子どもの理科離れ」 が社会問題化し始めた時期だったこと もあり、「科学に対する研究者と市民の 認識格差を解消する」という壮大な目 標を立ててスタートしました。しかし、 その頃はまだメンバー全員が大学院生 で、当然のことながらビジネス経験も お金もありません。できることは本当 に限られていました。 それでも、「研究に対する情熱」や「メ ンバーそれぞれの母校のネットワーク」 を自分たちのアセットとして捉えて、 まずは「最先端科学を学校に届ける出 前実験教室」から事業をスタートさせ ました。それを1歩目として、次の1歩 をどうするか、その次の1歩はどうする か、という蓄積を繰り返すことで、少 しずつ事業を広げていったのです。 問いを立て、手持ちの材料でまずは試 してみること。それこそが正解のない 未知の領域に挑む、研究者的思考その ものなのです。

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