AI開発チームの立ち上げにはeラーニングで出来ない「実データ、実問題」での実戦的訓練が必要
2022.04.08
リバネスユニバーシティーのコースは全て、講師から知識を得るといった従来の学び方とは全く異なる思想で進行します。受講者自らの実践、コミュニケーターの伴走、プロフェッサーとの議論を通じて「自ら思考し、実践して知識を創る」ことを特徴としています。この記事では、リバネスユニバーシティーにて6月より開講する「ヒューマノームAIコース」の概要を紹介します。
AI業界における人材のボトルネックはどこにありますか?
現在の人工知能業界における問題は、駆け出しエンジニアもプロマネも経営層も根っこは同じです。十分なリアルデータに触れて議論したことがない状態から、課題の整理やAI開発の手法を学び、集団で意思決定しなくてはいけないことです。話題だけで飛びついたり、先進性だけで手法を選ぶと課題の解決にたどり着かないという現実が知られてきたと思います。
eラーニングなどで、模擬データを使った解析手順を学ぶ機会は飛躍的に増えていますが、答えの存在が保証されている受験勉強の様なもの。実際のデータで、顧客の本命のニーズに答えるようなAIプロダクトの開発を学べる機会は多くありません。
私たちが注目しているようなヘルスケア業界でのAI利用には特にこの問題は顕著です。なぜなら実データを扱うインフラがまだまだ整備されていないからです。事実上、研究計画をしっかり書ける機関だけが利用できる状況で、学習の機会はとても限られています。
実データでの学習を後回しにするとどういう弊害がありますか。
ヒューマノーム研究所でも、新卒エンジニアの採用などを試みることがあります。また他社に対して、AI人材育成の研修を提供しています。その時から実データ、それを提供する先の人への着目にこだわっています。
実データ、実際の計測対象者がいるようなプロジェクトでは、eラーニングで扱う模擬データでは触れられない独特の癖があり、トラブルがつきまといます。eラーニングでは「典型的で成功する正解の操作」を教えることは得意ですが、実務のトラブルシュートはなかなか学べません。
実データに向き合ったときにトラブルシュート経験がないために行くべき道を見失い、頓挫することもあるでしょう。
ヒューマノームAIコースは、どういう経験から生み出されたコースですか?
私たちは、実データ、リアルな要求に答えるためのAIプロダクト開発を念頭におき、コース設計をしました。自分自身のバイタルデータを計測することからスタートし、自分自身でそのデータを解析していただきます。ベースになっているのは、ヒューマノーム研究所のプロジェクトでの学びです。
また、ノーコードAIツールを自社開発しています。実データに向き合うすべてのAIエンジニア、プロマネの方へハードルを下げるためのソリューションを提供しています。
こうしたプロジェクトにもし新人が入ったら?プロジェクト立案時に自分にアドバイスをするとしたら?こういった観点でメッセージを整理しました。講義に沿って順次お伝えするとともに、ヒューマノームAIコースを完了すれば次のようなことを経験し、実際のスキルを学べます。
- 一次情報を取りに行き、テーマを見つける
- システムを提案し、使う人を巻き込む設計をする
- 限られた時間で実行可能な検証を細かく回す
- 実データ、実問題をもとに、解くべき問題を考え、データ取得し、解析を回す一連の意思決定とスキル
「実戦的訓練」はどのような形で行われますか。
データ解析・機械学習を用いたQOL向上に資するサービスの模擬開発を行います。システム構築だけを行うのではなく、課題の設定から持続可能なビジネスの設計まで一気通貫で考える視点を持つことを重視した実践的課題になっています。本講座の実践ではヒューマノーム研究所だけでなく、他の健康医療分野の課題解決に挑むベンチャーから周辺領域の課題を提示してもらいます。受講生とのディスカッションをしながらQOL向上に資するテーマを設定するところからスタートします。
最終プレゼン時には、テーマに関連する現場へのヒアリング、サービス設計のためのチームビルディング、データ取得対象者からのフィードバック、顧客候補者からのフィードバックといった本格的なアイデア検証が完了していることが求められます。可能な範囲で、プロトタイプのプロダクトも作成していただきます。
講師から知識を得るといった従来の学び方とは全く異なる思想で進行していくのがリバネスユニバーシティー全体の特徴となっています。実践には全チームに手厚いコミュニケーターの伴走がつき、プロフェッサーとの議論を通じて思考を深めていくことが可能です。
受講はどういった人を想定していますか。
受講対象は大きく3種類です。実際のAIプロダクト開発のシチュエーションに近づけるために、受講生の中で混合チームを組んで頂く予定です。
- 実際に手を動かすエンジニア候補
- プロダクト開発業務を仕切るPM(候補)
- (AIの力で)課題を解決したい経営層
個人受講のeラーニングと違い、参加者同士のコミュニケーションがコース中の課題に取り組む上で必須となります。事業運営・開発向けのみやエンジニア向けのみの研修では、相互にコミュニケーションが発生しませんが、「ヒューマノームAIコース」では、これらのメンバーが一つのチームを形成し、1つのプロダクト構想の実現に汗をかいていただく想定です。つまり、エンジニアは、事業サイドzとの会話をする方法が身につき、自身の力が発揮できる場が広がります。事業運営・開発の人は、AI構築運用のプロセスを理解し、エンジニアの業務量や気分を肌身を通じて理解できるので、AIプロジェクトを成功に導く力が向上します。
さいごに
エンジニアもPMも経営陣も、実データ、実際の問題を自ら解き明かすことに飢えているのではないでしょうか。全力でサポートしますので、ぜひ受講をご検討ください!
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