リバネスユニバーシティーコンテンツジャーミネーションカレッジ対談:組織の壁を越え、ベンチャーの課題の本質に向き合うコミュニケーションを当たり前に

対談:組織の壁を越え、ベンチャーの課題の本質に向き合うコミュニケーションを当たり前に

2025.01.09

組織の壁を越え、ベンチャーの課題の本質に向き合う
コミュニケーションを当たり前に

参加者

artience株式会社 髙橋隼人氏
SMBCベンチャーキャピタル株式会社 真鍋晃太郎氏
株式会社フォーカスシステムズ 山根勝彦氏
株式会社みずほ銀行 渡邊司氏
株式会社ファイトリピッド・テクノロジーズ 太田啓之氏

聞き手

株式会社リバネスキャピタル 池上昌弘
株式会社リバネスキャピタル 富田京子

※参加コース:ブリッジコミュニケーションコース

 

2024年7月から8月にかけて開催した第2期ジャーミネーションカレッジ「キャピタルブリッジコミュニケーションコース」(以下、CBC コース)で、ベンチャー連携仮説を考えていく伴走先として株式会社ファイトリピッド・テクノロジーズ(以下、PLT)が参加し、PLT チームとなった受講生4名と PLT に集まっていただきました。それぞれが課題感を持って受講し、キーとなる学びを得て未来も大きく開けていきました。

 

本当にベンチャーとの向き合い方が変わった

富田:本日はよろしくお願いします。みなさんがコースを受講したきっかけや受講しての学びはどのようなことでしょうか?まずは、artience の髙橋さんお願いします。

 

 

髙橋:自社でオープンイノベーションが起こっていない現状があり、まずはベンチャーとのコミュニケーションスキルを身につけたいと考えたのと、ベンチャーファイナンスも同時に学べたらと思って参加しました。この講座ではファイナンスは全くでてこなかったですが ( 笑 )、しっかり得るものがありました。

 

 

池上:ファイナンスはない講座でしたね ( 笑 )。得たものはどんなものでしょうか?

 

 

髙橋:「まずは何かしてみる」ということの大切さを再確認できたことが大きかったです。現場を回ることを継続してやっています。また、ベンチャーとのコミュニケーションは、対等な立場であるはずだし「Give and Give」だと感じました。そうでないと関係性はうまくいきません。

 

 

富田:SMBC ベンチャーキャピタルの真鍋さんはいかがでしょうか?

 

 

真鍋:ソーシング(投資案件の発掘)ができるようになりたいと考えていて、前回この講座を受講した同僚に「ディープテック企業への投資、企業理解を深めたいと考えているならおすすめ。ベンチャーとの距離感や向き合い方が変わる」と聞いて受講を決めました。

 

 

富田:真鍋さんもベンチャーとの向き合い方は変わりましたか?

 

 

真鍋:変わりました。今まで投資家とベンチャーとの二者間の投資の話だけの距離感だったことが、投資家側からベンチャーと積極的にコミュニケーションすることや、本音ベースで話すことで事業理解を含めた近しい関係性を築くことが非常に重要だと思いました。また、ベンチャーと自社の関係性の話にとどまらず、投資家同士の相互理解やコミュニケーションも重要であるため、自身が提供できる価値を増やしたいという意欲を持つようになりました。共にベンチャーと関わる投資家と建設的な議論ができるといいと思っています。

 

一次情報から得る納得感・肌感が連携を加速する

山根:CVC を立ち上げて広い視点で様々な企業と関わりたく、ベンチャーと集中して多角的に向き合える講座だと思い受講しました。今までテックに触れてこなかったので新しい分野に関わる挑戦ができる楽しみな気持ちで参加しました。

 

 

池上:フォーカスシステムズの山根さんは前回に引き続き2回目の受講でしたね。前回と今回とでの変化や異なる学びなどありましたか?

 

 

山根:前回の受講では「寄り添う、伴走する、自分ごとにする姿勢」を身につけられました。今回の受講では前回の学びを意識しつつ一次情報を取りに行く意義を体験として学ぶことができました。前回は、伴走先のベンチャーが IT 技術を使った物流の課題解決、実装を目指していて、技術そのものを理解できても見学などで理解を深めるというところに至りませんでした。一方で今回のベンチャー(PLT)では藻類の培養を行っており、施設やラボに行くことで PLT が作ろうとしているものを直接目にしました。技術やモノに手触り感をもって現場を知ることで、だからこそ資金が必要ということに実感をもつことができました。

 

 

池上:山根さんは普段財務を担当されていますが、財務領域の人がこの講座を受講する価値はあると思いますか?

 

 

山根:あると思います。視点が少ないと数字や紙の上のデータだけを信じることになってしまうところ、創業者や経営者の思いに加えて、一次情報をしっかり取りに行って感じる真実という観点が備わると思います。若い方にも是非受講してほしいですね。経営のセンスが磨かれると思います。

 

 

富田:みずほ銀行の渡邊さんのきっかけや学びはいかがでしょうか?

 

 

渡邊:業務で大企業側のオープンイノベーション支援を行っていますが、大企業とベンチャーでは考え方やスピード感にギャップがあるため、どう歩み寄り連携していけるかを考えていました。この講座には様々な属性の受講生がいると聞き、それぞれの思いや連携手法を知るなどして連携に関わるすべての人にメリットのある形を作れるように、自分なりの解を考えたく参加しました。PLT の施設やラボ見学に行き、他の方のベンチャーとの接し方なども見ることができ、自分なりにしっかり考え、得た一次情報を基に連携を進めていけるという手ごたえを感じました。

 

研究開発も自分事にして社会実装への道を伴走する

富田:今後の展望などをお聞かせください。

 

 

髙橋:artience 社内で日常的にベンチャー企業との協業が行なわれ、そこから新しい事業が誕生している状態を目指すため、まずは小さくても事業化事例を作りたいと思います。

 

 

真鍋:有望なディープテックベンチャーが埋もれてしまわないよう、日々のデューデリジェンスやソーシングに力を入れ、自身が支援した先が明るい未来を作っていけるような伴走ができればと思っています。今では SMBC ベンチャーキャピタルでの自身の業務と関係のないベンチャーの未来も予測するようになり、勝手に連携アイディアを想像するようになりました。( 笑 )

 

 

山根:講座を通じて出会ったベンチャーへの出資も行い、成長に向けた伴走者として資金提供だけではない支援をしていきたいです。また、フォーカスシステムズ社内メンバーの育成にも取り組んでおり、伴走ができているかの視点や、数字だけではわからない部分も見ていけるように伝えていきたいです。

 

 

渡邊:形だけの連携ではなく有意義な連携を実現するためには何が必要か、を意識して行動するように心がけています。大企業とベンチャー、双方の当事者になったつもりで、真にやるべきことの提案に繋げていきたいと考えています。先を見据えたエコシステムの拡大に貢献したいですね。

 

 

池上:PLT の太田さんは講座の伴走先ベンチャーとして参加していただきましたが、いかがでしたか?次に参加するベンチャーへのメッセージもお願いします。

 

 

太田:はじめはコースに参加してどんな風になるのかイメージがわかなかったのですが、チームディスカッションではバラエティー豊かな連携仮説を聞くことができていい意味で驚きでした。1社のベンチャーに対し大企業をはじめ複数社の方が集まり真剣に議論する場はなかなかありません。具体的な連携の話もあり、参加して本当に良かったです。とても意義のあるコースなのでベンチャーにも積極的に参加してほしいです。

 

 

富田:お話を伺って、それぞれの視界が開けてディープテックベンチャーとの連携にワクワクしている印象をもちました。ディープテックベンチャーとの関係性をどうつくっていくか、投資の視点だけではない心構えなど今までの考え方をアップデートしたい方にぜひ受講していただきたいです。
本日はありがとうございました。

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